教室

加湿器を使用する場合は、結露が生じ、カビが発生しやすくなることから、適度な加湿に留意してください。

また、加湿器フィルター等にもカビや最近が発生しやすいことから、加湿器には水道水(塩素処理されており、雑菌が繁殖しにくいため)を使用し、定期的に清掃するなど、メンテナンスを適切に行なってください。

そして加湿器は加熱するタイプを選択し、そうでない超音波式加湿器を使用する場合は、レジオネラ菌が増殖し、ミストとともに空気中に飛散してレジオネラ症を引き起こすリスクが高いため、タンクの水は使用日ごとに取り換え、絶えずタンクの内部を洗浄し清潔に保つなど特に注意をしてください。

加湿器を使用する場合、日常点検の項目に追加する必要があるかと思います。
参考:学校環境衛生基準解説 2022

ダニの基準値は、1 ㎡当たりのダニが100 匹以下になると喘息の発作が治まったという報告があることなどから、100 匹/㎡以下であることとされています。
参考:学校環境衛生管理マニュアル

部屋をこまめに換気すると共に、掃除機をこまめにかける事が、発生の予防になります。

寝具は定期的に丸洗いをし、天日干しをした場合はその後掃除機をかけると効果的です。
参考:学校環境衛生管理マニュアル

全く騒音がないという事はありません。
1度、測定し、騒音がどの程度が、はっきりと数値で測定してみる必要があると思われます。

ただし、測定結果が著しく基準値を下回る場合には、以後教室等の内外の環境に変化が認められない限り、次回からの検査を省略することができます。

なお、著しく基準値を下回る場合とは、窓を閉じているときはLAeq45 デシベル以下、窓を開けているときはLAeq50 デシベル以下です。
参考:学校環境衛生管理マニュアル

光明理化学工業のホームページで、北川式ガス採取器の使い方の動画を見ることができます。

検査方法は捕集したダニを顕微鏡で計数するか、アレルゲンを抽出し酵素免疫測定法によりアレルゲン量を測定する。

ただしこれと同等以上の方法により検査を行うことも認められており、ヒョウダニ由来のDer2抗原と特異的に反応するモノクローナル抗体を用いたイムノクロマト法であり酵素免疫法に準じた方法のひとつです。
参考:学校環境衛生管理マニュアル

コンピューターを使用する教室の照度の測定において、コンピューターはタブレット端末も含むとなっています。
その為、例年パソコン室で測定されているようにタブレットを使用している教室において測定願います。

その際、タブレットは机に置いて使用するのであればそのように、斜めにして使用するのであればそのように置いて測定します。
その際、タブレットの画面の垂直照度は100〜500、机上の照度は500〜1000であることから、矛盾が生じます。
それはまだI C Tの普及に基準が追いついておりませんので、どちらも満たすことは無理かと思います。

今後岐阜市学校薬剤師会として指導方法は検討しますが、目の疲労の原因にならないようにするため、机上の照度があまり高いようでしたら、カーテンを使用するなどして照度を下げるようご指導ください。

また、良い姿勢で操作できるようにすることや、画面への写り込みがないようにすることなどを考慮することも重要だと考えられます。詳しいことは下記のガイドブック内にも説明されておりますのでご参照ください。
参考:児童生徒の健康に留意してI C Tを活用するためのガイドブック

例年パソコン室で測定されていると推測されます。
例えばホルムアルデヒドでしたら、机椅子など、フローリング、断熱材などに含まれています。

その為、パソコン室に限った測定ではなく、普通教室、音楽室、図工室、コンピューター教室、体育館など必要と認める教室について検査を行うとなっております。

校内で新たに改装された場合はその部屋は必須ですが、それがなければまずは普通教室を測定されてはどうでしょうか?
参考:学校環境衛生マニュアル「平成30年度改訂版」

飲料水

飲料水の日常点検として給水系統が複数ある場合は、各系統末端で測定していますので系統末端での検査結果が適合していれば問題ないと思われます。

●原因
白水の場合でも、蛇口から出る水をコップなどに入れ、しばらく置いておくと透明の水になる場合は、水道水中に空気が溶け込んだだけの現象なので全く心配ないが、放置しておいても白濁したままであれば、亜鉛の溶出が考えられる。
給水・給湯管として使われている亜鉛メッキ鋼管から、亜鉛が溶け出し(腐食)、水が白濁した状態である可能性がある。

●対策
○空気が溶け込んだだけであれば問題なし。
○亜鉛が溶け出しているのであれば、早急に配管を引き換える。

1日1回、色・濁り・臭気・味・残留塩素の検査を行って下さい。給水系統が複数ある場合(高置水槽が複数ある場合など)は、各系統末端で測定して下さい。

給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は、0.4mg/L)以上保持するように塩素消毒をすること。
ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は、0.2mg/L(結合残留塩素の場合は、1.5mg/L)以上とする。
とあり、上限が決められていませんが、水質管理目標設定項目の中で、臭いに関する項目として目標値「1mg/L以下」が示されています。

厚生労働省おいしい水研究会による「おいしい水の要件」は次のようになっています。

【蒸発残留物】 30~200mg/L
主にミネラルの含有量を示しています。量が多いと苦味、渋みが増し、適度に含まれるとこくのあるまろやかな味がします。

【硬度】 10~100mg/L
ミネラルのなかで量的に多いカルシウムとマグネシウムの含有量を示しています。硬度の低い水はくせがなく、高いと好き嫌いがでます。カルシウムに比べてマグネシウムの多い水は苦味を増します。

【遊離炭酸】 3~30mg/L
溶け込んでいる炭酸分の量を示します。水にさわやかな味を与えるが、多いと刺激が強くなります。

【過マンガン酸カリウム消費量】 3mg/L以下
有機物量を示します。多いと渋味をつけ、多量に含まれると塩素の消費量に影響して水の味を損ないます。

【臭気度】 3以下
水源の状況により、さまざまなにおいがつくと不快な味がします。

【残留塩素】 0.4mg/L以下
水にカルキ臭を与え、濃度が高いと水の味をまずくします。

【水温】 最高20℃以下
夏に水温が高くなると、あまりおいしくないと感じられます。冷やすことによりおいしく飲めます。体温より20~25℃低い10~15℃が適温といわれています。

簡易専用水道は毎学年1回、井戸水は毎月1回検査する必要があります。
参考:学校環境衛生管理マニュアル

学校の清潔

砂場の管理について平成8年9月に文部省(現在の文部科学省)から次のような文章が通知されています。

校地・校舎の衛生管理については、かねてから学校環境衛生の基準(平成4年6月23日)及び幼稚園施設整備指針(平成5年3月31日)等に基づき、十分留意するようお願いしてきたところですが、最近、特に砂遊び場(砂場)において犬猫等の糞便による回虫卵等の汚染が指摘されています。
ついては、貴職におかれましては、下記事項に留意のうえ、砂遊び場(砂場)の衛生管理の徹底を図るようお願いいたします。

1.砂場遊び等の際には、砂を口の中に入れないこと、及び、砂場遊び等を終えた場合は、速やかに石けんを使用した手洗いを行うよう指導すること。
また、砂場に持ち込む遊具等の衛生管理についても、適切な指導を行うこと。

2.幼児児童等が砂場を使用する前には、必ず点検し、犬猫等の糞便が確認された場合、その周りの砂を含めて処理するなど砂場の衛生面における維持管理に十分留意すること。

3.砂場を使用していない場合には、必要に応じ、動物進入防止のため、砂場にシートを被覆するなど適切な処置を行うこと。
消毒剤の使用例・・・次亜塩素酸ナトリウムを200~300mg/lになるように調整し、散布する。
参考:砂遊び場(砂場)の衛生管理の徹底について(通知)
平成8年9月24日 文体学第251号

プール

プールの補給水はプールの維持管理には大切な事柄です。

一般に 1日にプールの深さで 10cm 程度の水があふれ出ると言われています。
水深 1m のプールでは 1/10 の新しい水が加えられ、汚れを薄め、排出してきれいに保つ働きをしています。
循環ろ過式では、長期間継続してプールを使用しますので補給水の注入の効果はかなり大きく認められています。

汚れの度合は過マンガン酸カリウム消費量の値で知ることができます。
屋外にあるプールでは、油煙・タイヤ粉じん・枯葉等落下物の付着を防ぐにはオーバーフローさせたり取り除く事が必要です。
それでも取り除けない場合には、プール清掃の為換水が必要です。

プール水の温度は、原則として22℃以上とするよう指導してください。また、プール水の温度かが均一になるよう配慮することも必要です。
参考:厚生省生活衛生局長通知「遊泳用プールの衛生基準」

低学年や初心者ほど水温に敏感で、一般的に 22℃未満ではあまり学習効果は期待できません。
そのため、水温は 23℃以上であることが望ましく、上級者や高学年であっても 22°C以上の水温が適当といえます。

水温と気温の差は、水温が若干低くても気温が高ければ不快感は少ないし、反対に水温が高くても気温が低ければ快適ではありません。以上のことから、ここに示した水温はあくまで目安であり、プールを使用するかどうかについては、対象者の学年、能力、水温、気温、学習内容などを考慮して判断することが大切です。
参考:学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引き(第三訂版)

平成27年学校保健会の調査によると、約50%の学校が日焼け止めクリームを許可しており、日焼け止めクリームに対する理解が広まってきています。

耐水性の日焼け止めクリームを使用してもプールの水質が汚濁されないとの報告があり、これを踏まえて、日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会では統一見解として、必要な時には日焼け止めクリームの使用を許可するように求めています。

プール外での体操着の着用や、泳ぐ時にラッシュガードを着用するのも紫外線防御に役立ちます。適切な紫外線対策を行うことは生涯にわたり 健やかな肌を保つために大切な生活習慣の一つです。
参考:学校生活における紫外線対策に関する具体的指針(日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会)

使用期間中は、管理日誌に毎日の状況等を記載し、これを3 年以上保管することが必要です。
参考:プールの安全標準指針

学校保健会の見解は以下のとおりです。

「プールにはゴーグル使用が望ましく、プール後の水道水による簡単な洗眼は行って良いが、積極的に推奨はしていません。
なお児童生徒の体質によっては、学校医の指導のもと、プール後に防腐剤無添加 の人工涙液の点眼や、簡単に水道水で目のまわりを洗うなどの対応も必要である。」

また、日本眼科医会は、

「プール活動では,眼表面の保護のためにゴーグルの使用が望ましい 」とゴーグル使用は推奨しており、
洗眼については「プール活動後の水道水による洗眼は,水勢の弱いシャワー等で数秒間なら実施してもよい。
ゴーグル使用時でもプール水が眼表面に触れる可能性が高いため,眼表面の残留塩素濃度を薄めたり,微生物を洗い流す等の効果が期待できる。
また,化学薬品等の飛入の際の洗眼を怖がらずにできるようになる利点もある。
但し,数秒を超える水道水による洗眼は,角結膜上皮の障害をもたらす可能性があるので好ましくない。むしろプール活動後は,人工涙液による点眼も好ましい対応と言える。」と言っています。参考にしてください。
参考:学校における水泳プールの保健衛生管理 平成28年度改訂
眼科学校保健 資料集2016年5月 日本眼科医会学校保健部

凝集剤はプール水中の細かい汚れの粒子(=濁度)を集めて大きくし、ろ過砂に引っかかりやすくして取り除きます。

凝集剤の適正量は、遊泳・入浴人数にもよりますので各施設にあった適正量を入れることが必要です。
3g /㎥は目安ですので遊泳者がよほど少なければ減らすことも考えられます。
そして遊泳者数が多ければ逆に増やす必要があります。

現在の量では濁度の基準を守れているのかが心配です。
濁度2は「水中で3m離れた位置からプール壁面がはっきりと見える程度に保たれている状態」とされていますので、日常点検の透明度について特に注意していただき、透明度が保たれていないようであれば、硫酸バンドを先ずは3g /㎥入れるようご指導ください。

ソーダ灰については、講習会の資料は、塩素剤でイソシアヌール酸を使用した時の量ではないかと思われますのでご確認ください。
参考:学校環境衛生マニュアル

プール実施を前提にした施設検査になりますので、プールが開所されなければ、定期検査は不要と考えられます。

しかしプール用薬剤(消毒剤、中和剤、除藻剤など)の保管やプール設備についてなど、メンテナンスは必要と思われます。
学校側が施設を確認された場合は報告をしていただき、それについての指導助言は継続していただけたらと思います。

給食

PEN樹脂製の温食用ボール椀のみ、でんぷん反応が陽性となりやすいことがわかってきました。
汁椀として使用した後の不十分な洗浄、高温での乾燥により起こるようです

対策として、学期に1回、煮沸を10分間ほど行って食器をリセットすること。また、普段の洗浄に予洗い浸漬工程を設け、できれば酵素洗剤での浸漬、アルカリ洗剤での洗浄を行い、高温でのすすぎを行うことで、清浄度が保たれます。
参照:第48回日本薬剤師会学術大会での発表

他の材質について、ABS樹脂製では傷がつきやすく傷の部分にでんぷんが入り込むことがわかっています。強化磁器は割れにくいですが、万一割れた場合粉々になるので危険です。アルマイトは熱を通しやすく、熱いと持ちにくいという弱点があります。

薬品管理

岐阜市教育委員会、岐阜県教育伊委員会に確認したとろ、
「自治体の決められたルールで一般ごみとして廃棄してください。抗原検査キットとともに廃棄の仕方の文書を配布済みです」との返答でした。
ちなみに使用した検査キットに関しては、袋を二重にし、4日経ってから廃棄するよう指導されているそうです。

パソコンで管理すること自体は問題ありませんが、定期的に総括責任者となる校長に確認してもらう必要があります。
その際一般的には押印等で対応されておりますので、その際には印刷が必要かと思われます。

岐阜市立の学校であれば、岐阜市教育委員会の策定した「学校における理科薬品管理マニュアル」に合わせ、月に1回の残量調査と確認印をご指導いただく必要がありますが、お尋ねの対象校は県立となりますので、各学校で策定されている「毒物劇物危険防止規定」や「取扱要領」など校内規定をご確認ください。

また、パソコンで管理される際の懸念事項として、数値の改ざんが容易であることがあると思われます。
管理簿への入力は管理責任者に限るのか、使用者が入力するのかなど運用面で適正に管理できるかご確認いただきご指導願います。
その上で常にプリントアウトが必要なのかご判断いただけたらと思います。