採光及び照明

10.照度

教室及びそれに準ずる場所の照度は、明るいとよく見えるが、明るすぎるとまぶしさの原因となります。

また、最大照度と最小照度の比については、授業中は、黒板を見たり、机の上の教科書やノートを見たりすることを繰り返しており、教室及び黒板の明暗の差があまり大きいと、そのたびに明るさに目を順応させなければならないため、目の疲労の原因となります。

検査回数
年2回
基準
ア 教室及びそれに準ずる場所の照度の下限値は、300 lx(ルクス)とする。
また、教室及び黒板の照度は、500 lx 以上であることが望ましい。
イ 教室及び黒板のそれぞれの最大照度と最小照度の比は、20:1 を超えないこと。
また、10:1 を超えないことが望ましい。
ウ コンピュータを使用する教室等の机上の照度は、500 ~ 1000 lx 程度が望ましい。
エ テレビやコンピュータ等の画面の垂直面照度は、100 ~ 500 lx 程度が望ましい。
オ その他の場所における照度は、工業標準化法(昭和 24 年法律第 185 号)に基づく日本工業規格(以下「日本工業規格」という。)Z 9110 に規定する学校施設の人工照明の照度基準に適合すること。

事後措置

暗くなった光源や消えた光源は、電球・蛍光灯等の老朽化やその他の要因によるものかのチェック等を行い、光源の交換や修理を行います。

照度が不足する場合、増灯することが最も望まれる措置ですが、まずできることから工夫して実施します。

簡単な対処法として、
①新しい蛍光灯に変える、
②明るい機種に変える、
③反射板を取りつけるなどをあげることができます。

照明器具の清掃を怠ると意外に早く照度は低下するものですから、たとえ照度が基準に達していたとしても、定期的に照明器具の清掃を行うことが望まれます。

放電灯(蛍光ランプ、水銀ランプ)は点灯時間の経過と共に光束が減少してちらつきが増す。
一般に、蛍光ランプは初光束の70%以下になると経済的に不利となり、ランプ交換が必要です。
また、予防保全の一つとして、寿命時間前に定期的に一斉交換する方法もあります。

11.まぶしさ

まぶしさ(グレア)とは、不快なまぶしさの総称であり、光の質としては良くない状態を指します。

照度が十分にあって明るくても、視野の中に「まぶしさ」を感じさせる強い輝きがあると見え方を妨害します。

学校におけるまぶしさの原因として、以下に示すもの等があります。

・黒板及びホワイトボードに近い窓
・窓から見える青空
・窓の外の反射光
・直射日光
・光源及びその光沢
・テレビやコンピュータ等の画面に映る窓や光源

まぶしさは、生理的、心理的な疲労に直接に影響することから、まぶしい箇所やその原因について積極的に見つけるようにします。

検査回数
年2回
基準
ア 児童生徒等から見て、黒板の外側 15°以内の範囲に輝きの強い光源(昼光の場合は窓)がないこと。
イ 見え方を妨害するような光沢が、黒板面及び机上面にないこと。
ウ 見え方を妨害するような電灯や明るい窓等が、テレビ及びコンピュータ等の画面に映じていないこと。

事後措置

まぶしさを起こす光源は、これを覆うか、又は目に入らないような措置を講じます。

直射日光が入る窓は、カーテン等を使用するなど適切な方法によってこれを防ぎます。

まぶしさを起こす光沢は、その面をつや消しにするか、又は光沢の原因となる光源や窓を覆ってまぶしさを防止します。

電子黒板やタブレット端末等を利用する場合、窓からの映り込みの防止対策として、通常のカーテンだけでなく、厚手のカーテンや遮光カーテンのように太陽光を通しづらいものの使用を考慮します。